産後の腱鞘炎でお悩みの方
産後のトラブルで多い症状のひとつに腱鞘炎による手首や親指の痛みがあります。腱鞘炎は産後の女性だけでなく整形外科の領域ではよく見られる疾患で、国内だけでも年間4万人近くの方が発症していると言われています。
ところがこの腱鞘炎、産後のママさんに関しては、「湿布して我慢している」や「市販のサポーターをしただけ」という方がかなり多くいらっしゃいます。その対処が間違えている!というワケではないのですが、できれば悪化する前にきちんと治療をしておくべきです。ですが、産後ママさんならではの治療していない理由があるようです。
産後ママさんが治療していない理由として、
- 通院する時間がない
- 子供を見てくれる人がいない
- まだ我慢できるし大丈夫
- ずっと前から痛いし、もう慣れた
- どこに(病院)行けば良いか分からない
というものがあるようです。
ところが、この腱鞘炎。
湿布をしているだけでは治らないケースも多く、放置する事で症状がさらに悪化する場合もたくさんあります。さらに産後のママさんには、赤ちゃんの抱っこ、授乳、オムツ替え、沐浴など、たくさんの家事・育児が待っています。しかも育児に休みの日はありません。
腱鞘炎には色々なタイプがありますが、“親指など手首周り”で炎症が発生する場合もあります。なので、
「手を使わず安静にして」
と言われても育児中のママさんには出来るわけがありません。
加えてお子さんが1人ではなく2人以上いる場合、ママさんの負担はさらに倍増します。
『手、指が痛すぎて動かせない!』
となってしまうと治るまでに多くの時間がかかるケースもあります。当院では、症状が酷くなる前に早めに専門家の先生に相談される事をおすすめしております。
産後の腱鞘炎の原因
産後の女性にみられる腱鞘炎は“狭窄性腱鞘炎”と呼ばれ、閉経後の女性などにもみられると言われています。どちらも女性ホルモンの低下、が原因ではないかと言われていますが、はっきりとした事は分かっていません。
モデルマウスを使った研究では、女性ホルモン(エストロゲン)が腱鞘の機能維持に重要な役割をしている為、閉経後や産後のエストロゲンが低下している間に狭窄性腱鞘炎が発症する可能性がある。という報告も出ています。
要は、
産後は女性ホルモンが乱れ、腱鞘炎が起こりやすい
という事です。
※産前・産後の女性ホルモンの状態に関しては様々な意見があり、違う考え方の先生もおられます。
また、腱鞘炎といっても色々なタイプがあります。
代表的なものとしては、
ばね指 (Trigger Finger)
指を伸ばしにくい(特に朝方) 指を曲げ伸ばしすると途中で引っかかり指が伸びなくなる(スナッピング現象)
指を曲げる役割の屈筋腱を抑え込むA1 pully と呼ばれるバンドの部分が厚くなり、屈筋腱の滑走が悪くなる。その結果、指を曲げ伸ばししようとするとバネの様に途中で引っかかるのが特徴のひとつ。通常は更年期の女性や糖尿病・透析の方に多く見られる。
de Quervain病
親指を繰り返し使う事で、親指を動かす腱に起こる狭窄性腱鞘炎
授乳中や更年期の女性に多く見られる
親指を動かすと痛みが出る。抱っこやお茶碗を持つときに、親指に痛みが出て落としそうになる
短母指伸筋と長母指外転筋(親指を伸ばす筋)が圧迫される事で起こる。手関節を覆う、第1背側区画と呼ばれる部分が厚くなる事で狭窄される(狭くなる)。その為、腱の滑走(スムーズさ)が制限される事になり激痛が引き起こされる。
腱交差症候群(intersection syndrome)
手首から3~6cm肘に近い側に痛みが出現し、親指・手首を動かすと痛みが強くなります。
親指を外転(広げる)長母指外転筋腱・短母指伸筋腱と長橈側手根伸筋・短橈側手根伸筋が交差する部位にストレスがかかり起こると言われています。
などが挙げられます。
産後の腱鞘炎の一般的な治療
腱鞘炎に対しての一般的な治療としては、
- 軽症: 安静・湿布・痛み止めの薬
- 中等症:痛み止めの注射(副腎皮質ホルモン剤・局所麻酔薬など)
- 重症: 腱鞘切開手術
という選択肢が一般的と言われています
(病状や主治医の先生の判断により異なります)
ところが産後のママさんの中には母乳で子育てされている方もおり、薬や湿布などを使いたくないママさんも多くいらっしゃいます(授乳中でも安全に使用できる薬もあります)
こんな経過のママさんがたくさんいます
どう工夫しても手を使い過ぎてしまう
例)抱っこ、授乳、沐浴、寝かしつけ etc…
痛くても育児・家事はやるしかないので (誰かに任せられない)
産後の腱鞘炎で悩むママさんの多くが
授乳が終われば楽になる
子供が大きくなれば痛みは消える
と色んな人に言われたのでケアはもう諦めていた。
と話しています。
このアドバイスを別の捉え方にすると
子供が大きくなるまで痛みは我慢して
という事になってしまいます。
育児や家事、仕事復帰などのストレスを抱えている産後ママさんに、さらに我慢をさせる事はかなり危険なことです。
当院では、そういう産後のフォローも必要ではないかと考えております。
ちなみにこの腱鞘炎のケアは、産後の腱鞘炎に限った話ではありません。
産前の女性や、更年期の女性、男性の方に対しても腱鞘炎に対しては同じように、我慢せず施術するべきだと考えております。
痛みや辛さが軽減され、少しでも育児が楽になるように。痛みが和らげば心にも少し余裕が生まれると思います。「他の方が我慢しているから」といって、あなたも腱鞘炎を我慢する必要はありません。出来るケアを少しずつしていきましょう。
当院の産後の腱鞘炎の治療
当院では、産後の腱鞘炎に対して多方面からアプローチをする事で改善を促していきます。
治療の流れとして
エコーは被爆などの心配もなく、妊婦さん・授乳中のママさんでも安心してお使いできます
- テーピング、固定
- ハイボルテージ治療
- 微弱電流(マイクロカレント)
※妊娠の可能性がある方は使用できません
腱鞘炎の原因のひとつに、普段の生活での手首や親指の使い方。などが挙げられます。自分では気が付かない間に、“使いやすい方向ばかりに手首や指を使っている方”が多くいます。あなたの何気なくしている動きが、実は腱鞘炎を起こしやすい動きかもしれません。当院では原因となりやすい動きに対しての指導もしています。
例)腱鞘炎になりにくい抱っこのやり方など
腱鞘炎の原因となる姿勢にアプローチ
腱鞘炎と姿勢はあまり関係がないように思われていますが、実は腱鞘炎の原因のひとつと考えられています。
姿勢が悪く体幹が上手に使えない
➔悪い姿勢で抱っこなどを繰り返す
➔手首や親指の腱鞘に負担がかかる
➔腱鞘炎が起こる
というケースもあるからです。体幹が安定し姿勢が正しく整うと、手にかかる負担が軽減され腱鞘炎のリスクが軽減されます。当院では、産後の腱鞘炎のケアとしての『産後の骨盤整体』を推奨しています。
産後の骨盤整体に関してはコチラからご確認ください
腱鞘炎は珍しくない症状であり、それゆえに軽く見られがちです。ところが腱鞘炎の状態を長く放置してしまい、関節の動きが悪いままになってしまう方もいらっしゃいます。どんな症状であろうと、痛みがあるのであれば、まずは解決に向けて施術(ケア)をしていく事が大切です。
分からない事などありましたら、お気軽にLINEにてご相談下さい。
1人で悩んで苦しんでいる時間はとても辛く、もったいないです。育児・マタニティライフを楽しむ為にも、腱鞘炎の痛み、辛さでお悩みの方は一度ご相談下さい。LINE登録をすると、スムーズにお問合せできます。
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予約お問合せ
腱鞘炎でお悩みの方は、お電話・またはLINEにてご相談下さい
※腱鞘炎のケアに関しては、併設している「はくさんなのはな接骨院」で行います
はくさんなのはな接骨院での施術も、予約優先制となっております。
※接骨院での施術は、
①感染対策などの安全性
②スタッフ配置
などの関係により、赤ちゃんとご一緒の来院は、対応致しかねますのでご了承ください。
腱鞘炎のケアとして、「産後の骨盤整体」を希望されるママさんもとても多くいらっしゃいます。
ご予約の際は、こんな感じでお話される方が多いです
初めてなんですが、ホームページで『産後の骨盤整体・マタニティ整体』を見てお願いしたいと思って電話 (LINE) しました
その際、
① 誰と来ますか (1人 or 赤ちゃんと一緒)
※ベビーベッドの対応がありますので、月齢・つかまり立ちが出来るか?なども教えてください。
② 痛みや不安などの今の症状
を簡単に教えて頂けると、スムーズに予約をお取りできます
①QRコードを読み取る事で友達追加ができます
②当院から返信のLINEが送信されます
③予約の際には氏名(フルネーム)と日時を送信してください
参考文献・資料
1)手の外科シリーズ 3.ばね指(弾発指)
監修 一般社団法人 日本手外科学会広報委員会
2)閉経モデルマウスを用いた狭窄性腱鞘炎の病態解析
内山 茂晴 信州大学・医学部・特任教授
3)日常診療でよくみられる手の疾患 腱鞘炎(ばね指・ドケルバン病)の治療
奥田 敏治 奥田整形外科院長
4)操法訓練でのケガをいかに防止するか
労働者健康福祉機構東京労災病院 副院長・整形外科部長
医学博士 楠瀬浩一
5)マザーヘルス協会&産後リハビリテーション研究会 資料参考
http://mother-health.net/_src/16425/%E3%83%9E%E3%82%B6%E3%83%BC%E3%83%86%E3%82%AD%E3%82%B9%E3%83%88.pdf